『SHIFT解剖 究極の人的資本経営』(著:飯山辰之介)読了。
以下、Kindleで自分がマークアップした箇所を中心に、読みながら自分の中で立ち上がってきた気づきの整理。
読後メモ
人的資本を「信仰」レベルまで突き詰める経営
- SHIFTにおける人的資本経営は、制度や施策の集合体ではなく、丹下社長の強烈な思想そのものが“根”になっている
- 「なぜそこまで人の能力に執着するのか」という問いに対し、理由ではなく性格だと語る姿勢に、この経営の一貫性。人はコストではなく、最もレバレッジが効く投資対象である、という思想が全施策を貫いている
ブラックボックスを許さない文化
- 人事・評価・採用・育成といった曖昧になりがちな領域を、分解・可視化・KPI化し続ける姿勢
- 450項目を超える人材データも、集めること自体が目的ではなく、評価・配置・戦略に使う前提があるから機能する
- (数値化しにくいものも)「難しいからやらない」は思考停止
「人を大切にする」と「甘やかす」は別物
- 働きやすさだけでなく、働きがい=生産性向上への要求を明確に突きつけている
- 経営の責任と社員の責任を明確に分け、「環境は整えた。あとは成果を出せ」というスタンスは、日本企業では相当ドライに映るが、UP or OUTではなく、伸び悩む人にも前向きに働ける余地を残す点に独自性がある
給与は「後払いの報酬」ではなく「先行投資」
- 「部下の給料を上げられない上司は不要」という言葉が象徴するように、マネジメントの評価軸が明確
- 市場価値を基準にした年収設計は、人的資本を金融資本と同列に扱っている感覚に近い
人材を「見抜く」ための仕組み化
- 学歴・職歴ではなく、CAT検定などを通じてテスト業務への素養を見極める
- 漫画のスラムダンクを例に「流川」ではなく「桜木」を探す、という比喩。ポテンシャル採用の本質を表現。採用をマーケティングとして捉え、ペルソナ設計からコンテンツ設計まで行う点も非常に合理的。
組織は「会社」ではなく「街」
- 組織を「街」として見ることで、採用=人口流入、退職=人口流出と捉え、いかに快適に暮らせるかを設計する発想
- オフィスを「教会」と表現し、アイデンティティを確認する場として位置づけている点が印象的。頻繁なイベント開催やイベント時の役員によるコスプレすらも、モチベーション設計の一部として本気でやる覚悟
評価のラストワンマイルは人がやる
- 仕組み化を徹底しつつも、最終評価には100時間以上を費やす。「ちゃんと誰かが見ている」という姿勢そのものが、信頼を生む
- 数値と人の目、その両方を捨てない姿勢にリアリティがあった
AI時代における人の価値
- 単純作業はAIに置き換わるが、ラストワンマイルは必ず人が残る。だからこそ、考える力・頭を使う力を徹底的に鍛える必要がある
- 一方で冷静に「AIを使いこなす側」に回れるのは全体の1割程度、という現実的な見立て
総括
SHIFTの人的資本経営は、制度論ではなく思想論。人の能力を信じ切り、引き出し切るために、どこまで数値化や施策実行も含めて徹底できるか。
経営とは環境づくりであり、その覚悟があるからこそ「成果は社員の責任だ」と言えるのだと腹落ちした。
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