永井隆「軽自動車を作った男 知られざる評伝鈴木修」読了 – 2025年11月21日

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軽自動車を作った男 知られざる評伝鈴木修」読了。

印象に残ったのは、「黒字でいること」が単なる経営指標ではなく、“自分たちの意思決定を守るための力”として描かれていた点。赤字は悪、黒字だからこそ浜松に主導権を残せた──この視点は、日々の事業運営に携わる立場として、妙に腹落ちするものがあった。

また、業販店との「運命共同体」的な関係や「ハート・ツー・ハート」と言い切る人間関係の築き方には、数字や制度では割り切れない“泥くささ”があり、忘れかけていた大事な感覚を思い起こさせられた。徹底した合理主義者でありながら、同時に情の人でもあるという二面性が、この評伝の魅力だと感じる。

一方で、トップ体制が生む緊張感や、組織の中で意見が上がりにくくなっていく空気の描写は、どこの組織でも起こり得る構造として、現実味を持って響いた。現場を歩き続けた姿勢も、トップ自身の孤独や不安への向き合い方だったのだろうと思う。

インド市場への挑戦、GM・VWとの関係、震災時の「お互い様だ」という一言まで、トップとして行ってきた意思決定の積み重ねが、生々しく感じられる評伝だった。数字で戦い、人でつながり、筋を通す。
「合理」と「情」のバランスを、もっと丁寧に磨いていきたいと感じた。

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