マネジメント

求められた通りやってみる (Pepabo Managers Advent Calendar 2023 20日目)

このエントリーはPepabo Managers Advent Calendar 2023の20日目のエントリーです。

昨日のエントリーはminne事業部マネージャーkeokenの「ミラーレス一眼カメラを買って写真撮影をはじめた」でした。素敵な写真ばかりではじめたばかりとは思えなかったです!

求められた通りやってみる

このエントリーではマネジメントの観点から「求められた通りにやること」をテーマ書いてみることにしました。

あなたは仕事で「求められた通りにできていますか?」と聞かれた時、子供ではあるまいし言われたことはやっていると思われたり、そんなのは当然でしょうと思われた方もおられるかもしれません。または、もしかすると人から言われたことを求められた通りにやるのはポリシーに合わない。と思われたり、社会人としてのスタンツは人によって異なると思うので、一つの答えがあるとは思っていませんが、いろいろな答えが返ってきそうです。

さて、そうしたときに今日この文章を読んでいただいている方の中で、そもそも求められているものは何か。を考えたときにそれぞれの方が浮かぶものと、それを求めた方の考えているものが一致しているでしょうか。少し考えてみると面白そうです。

考えてみる際に少しスコープが大きいなと感じた場合、局所的な施策や仕事で考えてみるとどうでしょうか。例えば会議の議事録を取ることが役割として与えられている方の場合、文字だけをみると決められたフォーマットで議論されたことを文字起こししていくことだったり、あるいは何かしらの集計を定期的に行うことが業務上の役割であれば、会議に参加し議論を文字に起こしてまとめていくこと、必要な数字を手に入れてExcelなどで集計することかもしれません。ただ、もしかすると更にそこにまとめられたものを仕上げる際に自身の意見を入れることや参考情報を盛り込むことが求められていることや期待されていることかもしれませんし、集計数字から見えるものを盛り込むことが求められていることかもしれません。

求められた通りにやることはとても難しいことです。それは何故なら自身が思う求められていると思っていることと、求めた人が望むそれとがしばし一致しないからです。

では、それを少しでも近づけるためには?求める側と求められる側かどうすればよいかを自分なりに整理してみました。

求める側 - 「前提を揃え求めることを自らの言葉で伝える」

前提を揃えるは求める側が持っているベースとなっている考え方や何故それを求めるのかを揃えることです。会社組織であればその会社が目指していることを根底として、その上で何を解決したいと考えているのかという前提を求める側、求められる側で揃える。そしてその上でそれを自らが専門とする知識を踏まえた言葉で伝えることです。仮に自らが所属するチームや部署より大きなスコープで決まったことであっても自らが持つ前提を踏まえて自らの言葉で翻訳して伝えることが必要だと思ってます。

それを行うわかりやすい一つの役割をもつのがマネジメント層であり、ここに求めるものは2022年のAdvent Calendarのエントリーに書いた通りですので是非併せて読んで頂けると嬉しいです。

求められる側 - 「万物には理由がある」

あなたに求められたのには理由があるはずです。もちろんその理由には濃淡があり、もしかするとどうしてもお願いする人がいなかった、人手が足りなかったという動機もあるかもしれませんし、はたまた持ちうる経験や知識を活かしてほしいという理由かもしれません。まずは求められたことを受け止めて考えてみましょう。自らの視点でもその理由が補完できるかもしれません。

そもそも誰にも求められていないことを自分が好きなスタイルで仕事にして過ごすのも一つのあり方かもしれませんが会社などの組織でチームとして事業に取り組んでいるのであれば、それは誤りです。まずは誰かに求められた通りにやってみて成果を出すことが必要なことではないかと思いますし、それは先に書いた通り難しいことですが、求められたとおりにやってみた後、その仕事が得意な仕事になり、そしてその仕事が好きな仕事につながっていきます。

まずは求められたとおりにやってみて、自分ができる付加価値を考えてみてはどうでしょうか。その付加価値は先に書いた様な相互のコミュニケーションであり、そのコミュニケーションを発生させるのがマネジメントの役割です。求められたとおりにやってみた仕事を得意な仕事や好きな仕事につなげていくために、まずは愚直に「求められたとおりにやってみる」に取り組んでみてもよいのではないでしょうか。

“まともな上司” であるための3条件 – 2023年1月7日

朝起きてアップルウォッチに褒められる。睡眠時間が足りていたとのこと。起きるだけで褒められるのは稀有。
そのまま少し残っていた仕事の残作業を行った後に散歩へ。今日は5.0Km。朝は寒いのだけれども正午に近づくにつれ日が当たる中、散歩をするのはとても気持ちがよかった。

帰宅して「人間学のすすめ」読了。Kindleの扱いがないので久しぶりに紙の本を買ったのだけれども、この本は紙の本を手にとって読むのに適していた。

本の中で "まともな上司" であるための3条件と書かれていた。

  • 其の身正しければ、令せざれども行わる。其の身正しからざれば、令すと雖も従わず
  • 之に先んじ、之を労す。益を請う。曰く、倦むことなかれ
  • 君子は人の美を成す。人の悪を成さず。小人は是に反す

約すると、"率先垂範"、"先立って思いねぎらう"、"良いところがより良くなる様にサポートする" の3点だろうか。
定期的に見直したい。きちんと自分がそれをできているか。

著者 : 北尾吉孝
致知出版社
発売日 : 2022-12-22

僕はこう考えてマネジメント職に就いている (Pepabo Managers Advent Calendar 2022 5日目)

このエントリはPepabo Managers Advent Calendar 2022の5日目です。
昨日は技術部マネージャー とらさんによる「スポーツジムに通う技術」でした。ジムに通う習慣を作るための仕組み化の話からSRE募集につながっててさすがだなと思いました...!


さて、このアドベントカレンダーはPepabo Managers Advent Calendar 2022ということで、GMOペパボ株式会社に所属するマネジメント職のメンバーで毎日更新されています。

私は2011年にGMOペパボ株式会社(当時は株式会社paperboy&co.)にWebエンジニアとして入社し、2015年1月からサブマネージャーとして管理職の一歩を踏み出したのが自分自身のマネジメント経験の始まりになります。

自分自身のキャリアとしても元来はエンジニアとしてキャリアパスを積み重ねていくつもりでいたのですが様々な縁があり、いま現在はネットショップ作成サービスであるカラーミーショップを中心に運営するEC事業部とオリジナルグッズ作成・販売サービスであるSUZURIを中心として運営するSUZURI事業部の2事業部で兼任の形で部長職を担っています。

2015年から6年数ヶ月の間にも、担うマネジメント対象の規模感、組織規模も年々大きくなっていく中で、まだ未熟なところも多いもののこれまでの経験や上司からマネジメントスタイルとして教わってきたこと、いろいろなマネジメントに関する書籍や情報を取り入れていくなかで少しずつ自分なりの考え方が固まりつつあり、またそういった考え方を社内でお話する機会も増えてきたので一度「何を役割として考えて自分がマネジメント職についているか」を書いてみることにしました。

  • いまはマネジメント職ではないが興味がある
  • マネジメントを担い始めたばかりだが色々なマネジメントスタイルを知りたい

といった方々へ、一企業でマネジメント職を担っている者の考え方としてお伝えできればと思っています。

なお、ここでのマネジメント職は弊職が担っている様なインターネットサービスの事業責任を持つ様な方だけではなく、専門職マネジメント(いわゆる弊社で定義しているエンジニアリングリードやデザインリード等)も含めた広い視野でのマネジメント職の方に対しても同じ視点で自分は捉えているため、専門職マネジメントラインの方の考え方の一助にもなれば嬉しいです。

何を役割と意識してマネジメント職についているか

さて、自分がGMOペパボ株式会社という組織でマネジメント職を担っているときに意識している役割は大きく2つあります。

1. 目標達成 (組織の成果に責任をもつ)

よく知られている定義としてマネジメントとは「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」と言われており、いわゆる「役割」であり、この定義に基づいた場合、マネージャーとは「マネジメントを実行し組織の成果に責任を持つ者」なります。

しばしマネジメント職の役割をヒューマンマネジメントが主の様に捉えられているケースを見聞きすることもあるのですが、求められているのは組織を介して成果を出すことであり、勤怠管理や人事評価に関しても目的達成を行うための一手段として認識して取り組まなければならないと思っています。
一見、当たり前のことの様なのですが何度も意識しています。担うべきは組織として出す成果から得る定めていた目標の達成です。

2. 一緒に働いている人のために尽くす

何のために自分がマネジメント職についているのかと問われたときに先の目標達成と同列で意識しているのは見出しに書いた「一緒に働いている人のために尽くす」になります。具体的にそれは何を意識しての行動かというと一緒に働いてくれているすべての人のモチベーションを支えフックアップし、より高いパフォーマンスを発揮頂くために尽くすこともマネジメント職の役割だと思っています。

そのために意識していることとして、定性的な事項ではあるのですが自分は以下の様なことを心がけ、一緒に働いている人のモチベーションを最大化させる役割を果たしたいと考えています。

  • (1) マネージャーは「ポジティブに振る舞い、話しかけやすい人」で居続けること
  • (2) 自分が専門とする言葉で翻訳すること
  • (3) 一緒に働いている人たち全員が能力を最大に発揮できるために自分ができることは何か常に考えること

(1)は少し定性的なことの様に聞こえますがとても大事だと思っていて、もしかするとネガティブな感情を持った人がマネジメントを行使したとして数字上は目指した結果が作れるかもしれませんが、その結果は「人」によってアウトプットされている以上、ネガティブに振る舞われるよりはポジティブに振る舞ってマネジメントが実行できるマネージャーによる組織からのアウトプットが望ましいと考えています。ごくシンプルにはネガティブな人の元で働くよりは、ポジティブな人の元で働いた方が同じ結果を出すなら楽しくないですか?という考え方です。

また、”話しかけられやすい” というのも大事な要素だと思っていています。ネガティブな事象が発生したとき、あるいは業務の遂行上困ったことが発生したときなどに、まずマネジメントされている方々のもとに情報が集約するためにも、なにかあったら声がけしてもらうことができる様に振る舞うことも大事だと思っていますし、逆にどんな小さなポジティブな話でも知ることができる機会が聞ける様にしておくことも組織運営上を潤滑にしていく上でも大事な要素ではないでしょうか。

マネジメントに携わる方は時間的な制約も多いのが実情ではあると思うのですが、傍から見られた際には余裕がある様にみせたり、ときには演じたりすることも必要なのではないかと自分は考えます。

(2)は端的には “聞いたことを伝言ゲームでそのまま伝えない” になります。自分は会社のダイレクション、事業責任者からのダイレクション、サービスをご利用頂いているユーザー様のご意見 etc… など、自身がを自分が専門とする言葉で翻訳し、且つ意味は崩さずにチームメンバーに伝えることを自分も意識していますし、自分が任命したマネジメント職の方には求めています。

組織の中でも経験や知識、バックグランドが様々な違いがあるメンバーが集まっているときにも、それぞれの人が齟齬無く理解することができる様に翻訳をし、コミュニケーションをすることができれば、よりマネジメントの実行を行う組織の規模を大きくすることができるはずです。

(3)は姿勢の話になります。マネジメントを実行し組織としてのアウトプットを出していくなかで、先に書いたとおり最終的なアウトプットのための実行は自然な流れで実現されるのでもなく、誰が見ても完璧だと思う計画でもなく、「人」によってなされます。ひとりひとりが高いパフォーマンスを継続して発揮するために、どの様にマネジメントするのがよいかをリーダー職は現場の倍考える、マネージャー職、シニアリード職は更にその倍考え、事業部長や副部長は更にその倍考えるくらいの気概で常にありたいと思っています。


自分は上の大きく2点、後者については更に分解し3つのことを自分がマネジメント職として担う役割と理解してその役職に就いています。

組織は一つの「システム」だと理解しています。組織というシステムに人や考え方といった入力を与えることで組織を介し、事業の結果やプロダクト、サービスという形でアウトプットが出力されます。そのアウトプットをマネジメント職の役割を担う者が適切に観測し、フィードバックをかけて再びそのシステムに入力を行うことで持続的な成長を導く。時にそのアウトプットが乱れるときもあると思うのですが、そのときもアウトプットのフィードバックを適切な形で修正しインプットとして再び入力し、また必要に応じて新たな考え方や人をインプットすることで目指すアウトプットを維持していく。これが自分がイメージする「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」と呼ばれるマネジメントが果たすべき役割です。

組織を介し最高のアウトプットを作り出すため、これからも自分自身が改めて上の2点を意識してマネジメント職の役割を果たし続けたいと思います。

追伸

「では、あなたは上に書いたこと全部できてるの?」と聞かれると胸が痛くなることもあるのですが、「棚上げ力」もときには必要です。と自分に言い聞かせて、明日のアドベントカレンダーに続きます。

第二四半期報告会(社内向け)が開催された

社内向けに開催されている四半期報告会が開催された。

四半期報告会では連結での全体の報告と各事業からの報告が行われる形になっていて自分もその一事業の報告をさせていただく立場になっているので5分程度の時間で四半期のサマリーをお話させていただいているのだけれども、こうした機会でお話をするときにどういうところを自分なりに意識しているのかを人にも話をしたことがないし、もしかしたら今後同じ様な立場でお話をされる人が出てきたときに多少の参考になるかもしれないので書いてみることにする。

自分の意識しているポイントは以下の3つ

  1. 聞き手をいろいろ切り替えて考えてみる
  2. P/L的な指標以外の具体的な数字を入れ且つイメージしやすくする
  3. 締めは可能な限り毎回同じフレーズにする

以下それぞれを少し詳しく述べてみる。

聞き手を頭の中で切り替えて考えてみる

これはお話をさせていただく際のスライドやストーリーを作るときの話。このスライドや話を聞いてもらっている方がにはいろいろなロールが想定できて、社内向けの報告会とはいえ、普段から「一緒に関わっている人」、普段は「別事業に携わっている人」に分かれる。そうしたときに各々の視点において見たときに違和感が無いかを考えてみる。または、社歴も様々なので新卒の方や直近で中途入社された方が聞いたときに普段使っている言葉が通じるか?など自分が当たり前となっていることも当たり前ではないこともあるので可能な限り気をつけるようにしている。

P/L的な指標以外の具体的な数字を入れ且つイメージしやすくする

売上・利益といった財務的な指標以外の事業における規模感を伝える数字がもしあれば可能な限り入れる様にしている。例えば自分が携わっているEC事業であれば指標の一つに流通額があるのでその話題を入れる。これはイコールKPIとしている場合もあるし一方例えばシステムメトリックとして取れている情報でもよい場合もある。これはサービスに携わってくれている人も含めこの四半期に自分たちが携わったサービスの規模感であったり結果を改めて認識を持ってもらうことを目的にしている。あとその数字も単純に公開するのではなくて規模感がわかる様な比喩を添える様にしている。(逆にわかりにくいという声も頂いて難しいところなんだけれども)

締めは可能な限り毎回同じフレーズにする

話を聞いている方の大半は自分が説明をしている事業に携わっていない状態において貴重な時間を使って話を聞いてもらっている訳で、そうした中で結論何をしていたのだろうかというところを記憶に残してもらえる様に一言で伝えられる自分なりに考えたフレーズが最近やっとできたので2020年に入って繰り返し最後に入れる様にしている。

といった具合で毎回いろいろ考えながら準備するのだけれども、毎回終わった後にこういう言い方の方がよかった。この話題も入れればよかったと5分の発表の後にもいろいろ思い返したりしているのだけれども、繰り返していかなければ伝わりやすくならないと思っているので頂いた機会は可能な限り活用しながらブラッシュアップしていきたいと思う次第。

徒然日記 – エゴを離し自分に求められているものこそが自分自身

昨日公開された弊社CTOの記事を改めて読んだ。

engineer-lab.findy-code.io

エンジニア向けのメディアではあるのだけれどもマネジメント職に興味を持たれているあらゆる職種の方にとって有益な文章だと思う。

自分と比較したときに、CTOであるあんちぽさんが担われた責任だったりそもそもそのマネジメント領域の広がり方のスピード感が格段に違えど*1、いちエンジニアから事業サイドのマネジメント職にシフトした自分にとっては同感できるところがとても多い文章だった。

その絶対的な偶然性に対して常に心身を開き、ときには翻弄され、偶然的な責任を引き受けていくこと。そういうことが人生において大事なのではないかということを、わたくしは学んだのでした。

特に最後の上の一文はまさに自分が信条にしているところで自分の場合は「自分のための仕事はしない」という言い方でよく自身が所属する事業部のマネジメントラインの方にお伝えしたりしている。

エゴを離し自分に求められているものこそが自分自身であると認識し、そこで求められたものがマネジメント職であるれば、自らの何かしらのメリットを得ることを信条として進めるのではなく、まず組織・チームにとって進めている方向に対して最適な判断を行い、そこで発生した責任を担い、成果を最大化することが役目かと認識できているかがその職をチャレンジすべきかの一つの基準ではないだろうかと思う。

*1:自分の場合はサブマネージャー職→マネージャー職→部長職とステップを踏んでいて比較したときにおいてはゆっくりである

私流スライド作成5原則

このエントリは GMO Pepabo Managers Advent Calendar 2019 15日目のエントリーです。

昨日はminne CSのマネージャー ハヤティーによる「マイケルから学ぶ “THIS IS IT ”なチームマネジメント」でした。

さて、ここでは自分がスライド作成をする際に意識している5原則を書いてみようと思います。

自分事になるのですが私がGMOペパボでマネージャーという役職を2016年5月、2018年10月からは部長職を担って以来、増えてきた業務の一つにパワーポイントやgoogle docsでスライドを作成する機会があります。これもむやみに増えているというよりは例えば、

  • サービスを代表する立場としてセミナーなどで登壇する
  • 事業部内で共有を行うために一同に介した場で登壇する
  • 経営会議や提携先企業様との場での説明用資料として準備する

などが挙げられます。
私自身がエンジニアとして入社し業務に携わっている際もエンジニアの集まりでのLT的な場であったりでプレゼンテーションを作成することもありましたが、よりその機会やケースが広がってきました。

機会が増えるに連れ、自分なりにスライドを作成する際に意識している点などが少しずつまとまってきましたので、せっかくなのでご紹介してみようと思います。

ここでご紹介するのは作成している際の心がけというかポリシーで綺麗な資料を作るためのポリシーとは違うのでその点はご了承ください。

先に列挙してしまうと以下の様な点を意識してプレゼンテーション資料を作成しています。

1. 自己紹介スライドには発表する場とリンクするトピックを入れる 2. 登壇時間(分) = スライド(枚数) 3. 定期開催での発表はパターン化 & 引用スタート 4. 数字があったら同じ数字の規模感を頭に入れておく 5. "伝える" スライドに3要素以上入れない
私流スライド作成5原則

以下、それぞれを少しだけ詳しくご紹介していきます。

自己紹介スライドには発表する場とリンクするトピックを入れる

社内の共有会の様な性質の場所における資料では自己紹介のスライド等はないとは思いますが、社外であったりあるいはセミナーであったりするときは自己紹介のスライドを入れることが多いかと思います。
そうしたときに発表をしている場所と自分の経歴でリンクするところがあれば入れる様にしています。

例えば自分の場合、

  • ロケーション的にリンクする
    • 福岡で発表する機会があったときは高校や大学時代を過ごしたこと
    • 関西で発表する機会があったら関西にはいくらか親戚がいるということ などなど...
  • 聴衆にリンクする
    • 対象が管理職の方が多そうであればどのくらいからマネジメントに携わっているかを入れる
    • エンジニアの方が多そうであればマネジメント携わる以前はエンジニアであった紹介を入れる などなど...

だったりと「あ、この発表する人、自分とこういった共通点があるんだ」ということを知って頂くためにトピックとして加える様にしています。

この手のスライド、使い回せる要素が多いため大抵コピペで済ませてしまうことが多いところですが、改めて一度見直してみるとよいかもしれません。

登壇時間(分) = スライド(枚数)

ここは人によって発表のスタイルが違うので一概に言えないかも知れませんが自分の場合割り当てていただいている登壇時間(分)に対して同じ数の枚数のスライドを用意する様にしています。
タイトル等も含み一瞬しか利用しないスライドもあるかとは思いますがそういう類のものも含めて自分の場合、平均すると大体1枚1分が目安になっています。

15分が発表時間であれば、タイトルからまとめのスライドまで入れて15枚に収めます。
経験則なのですがこの枚数に収められない場合、大抵全編駆け足になって伝えようとしたことが伝わりきらない感覚を定性的にもっています。

ちなみに自分の場合、いきなりPowerPoint等を開いてスライドを作り始めることはせず、作成をする必要がある一週前の週末に散歩をして発表する際に伝えることの整理と流れをイメージします。そこで思いついたことを帰宅してメモ帳に箇条書きで書いて、そこからスライドに起こし始めます。

定期開催での発表はパターン化 & 引用スタート

パターン化

定期開催の場合、例えばGMOペパボEC事業部では隔月で行っている共有会「ECどうでしょう」という場を設けているのですが、そこで発表する際の流れはパターン化しています。例えば、以下の様な形です。

  • タイトル
  • 開催の意義・目的
  • P/L, KPIの状況
  • 注力施策の状況
  • まとめ

といった具合の大きなが流れです。毎回の構成を同じにしているので聞き手となる方も「おおよそ今日はこのぐらいの時間を使ってこういう流れで話がされる」という構えができるかなと思っているところと、あと更に、もう少し細かいところを書くと、上の例の中だと開催の意義・目的だったり、P/Lの説明をする前に前段として「売上、利益とは?」といったスライドも入れていて、毎回必ず同じ説明をしています。

これは、職種や経歴も全く違う人が一同に集う場であるため前提となる知識もバラバラになるため最低限前提としたい知識を同期させるためです。

引用スタート

人というのは忘れる生き物なので、自分も聞き手側だったらおそらく「あれ、前回って @hideack は何を話したっけ?」というのが人間の性ですし自然なことだと思うので振り返り用として前回使ったスライドを一枚いれたり、まとめのスライドを入れてから新しい話に繋げる様にしています。

そうすることで定期開催しているそれぞれの発表の場に連続性が出て、継続して行っている意義も見出すことができる様になります。
もちろん発表の内容によっては引用スタートでない形もすることもありますが、なんらか前回発表した内容は資料のどこかで必ず引用します。

少し脱線しますが私が行っている月の評価面談だったり1on1だったりの場では、「前回はこういうこと話しましたね」といった思い出しのところから始めています。
これも、行っている評価面談だったり1on1が離散的でなく連続的だと考えているためです。

数字があったら同じ数字の規模感を頭に入れておく

これはどちらかというと発表tipsみたいな形なのですが具体的にイメージできない数字(普段扱わない様な規模感の数字)だったりしたときは、発表を聞いている方がイメージするのに支援できる様な情報を "口頭" で説明します。
ニュース番組で「東京ドーム何杯分」といった表現をされるときの使い方に近いでしょうか。

例えば、

  • 例: 金額の規模感
    • スライド上で「oo億円」と記載
      • 「みなさんが知っている○○○という会社の売上と同じくらいです
      • 「○○○の建築費がこのくらいです」

これをあえてスライドで書かないのは注目するポイントをぶらさない様にするためで、スライドにこういった情報を入れたときに視点がそこばかりにいってしまい肝心の受け取って欲しい数字が抜けてしまうためです。

口頭で補足することで視覚で入ってくる「数字」を聴覚で上の様な情報を添えることで理解の援助をすることと、硬い話になりがちな数字の話に少し柔らかくすることができます。

"伝える" スライドに3要素以上入れない

個人的に「信号機理論」と言っているのですが、まとめのスライドや行っている発表の中で伝えたいことを入れるスライドにおいては最大でも要素は3つと決めています。
これ以上の数になると口頭で話すことも多くなり聞き手の取捨選択の数が増えてしまうと思っています。

スライドを見たときに目から入る情報として認識できるのが個人的には最大で3要素だと思っていて、そこからさらに耳を介して入ってくる情報を併せたときに理解しやすい限度としてもこの数かなと思っています。


まとめ

つらつらと書き連ねましたが、私がプレゼンテーション用の資料を作成する際に意識している5原則をご紹介しました。
もちろん、これがベストという訳でもありません。
自分自身もまだまだ「伝達力」や「説明力」が足りないと思うことが多々ありますし、今後も頂く機会を糧としてよりブラッシュアップしていくと思いますが、もし何らかの場で誰かに伝えるためのプレゼンテーション資料を作成する際のヒントにしていただけると幸いです。

あと、最後に一番大事なのは読みやすく理解しやすいスライドを作ることと同じくらいかそれ以上に自分が考えていることを伝えられるかというところなのかもしれません。

明日16日目はminneマネージャーのkeokenによる「社員名簿サービスの紹介と開発未経験マネージャー(40)の奮闘記」です。

昼寝, 機嫌と周りの幸福度

東京最高気温33度。お昼に近所に買い物に行くだけで汗をかく。そのまま家に帰って一息ついたら昼寝してしまった。子供の頃、昼寝がとても嫌いだったのに最近週末必ず昼寝してる。

ふと、平日は全然眠くならないの気を張ってるのか素朴に謎に思うこともある。*1

以下の様な記事を拝見した。

上の記事を読んでなんとなく自分が思っていることと一致していた。「自分の不機嫌が周りの幸福度を下げる」という一文が書いてあったけれどもまさにそのとおりだと考えていて、空気感であったりが伝搬するものだと思っている。
一緒に働いている仲間や、一緒に暮らしている家族は当然人間なので喜怒哀楽それぞれあるなかで特に仕事をする上での組織ににおいてリーダーの立場の人が持つ影響はあるので、これはコントロールできる技術を持たないといけない。

またこの組織の範囲、どうしても小さくしがちになる。理由はシンプルでその方がコントロールしやすいから。「この範囲において不機嫌は伝搬しない様にしよう」と思っているときに隣のチームや組織に対して不機嫌を伝搬させていることもある。仮に仕事としてマネジメントを職務や職務の一部としている場合は一層気をつけないといけない。

*1:いや、仕事してるんだから当たり前か....

お好み焼き, 判断する回数

お昼ごはんに渋谷のスクランブル交差点のそばにあるお好み焼き屋さんにランチを食べに行く。小さいお好み焼きと半焼きそばとソフトドリンクのセットという炭水化物な組み合わせであった。思いの外、記事が柔らかくてひっくり返すのに苦労する。あと鉄板が小さい様に感じたのだけれどもこれはきっと2名が同時にお好み焼きと焼きそばを同時に作るという想定ではなかったのではないかということに気づく。お昼にお好み焼き作るのも楽しいな。

なんとか出来上がったお好み焼

昼を前後して携わっているサービスに関しての取材を受けたりミーティングに参加した後、更に来週使うセミナー用の資料を作ったりして日が暮れる。

帰り道にふと思ったのだけれども、一日に大なり小なり判断した回数が多ければ多いほど疲労感を感じる気がする。小さな判断を減らすためにルーティンを決めたりする話を稀に聞いたりするのだけれども、それはきっとそこの疲労を抑える話に通じるのだと思う。マネジメントしてる立場になった人はそういう判断を迎えることは当然多いし、更に個人的にはジャッジに迷ったり困ったりしているケースを見かけたら背中を押してあげたり判断すべく自ら取りに行くこともまた必要かと思っているのでそうした判断の数が多かったというのは過ごし方として正常なのかもしれない。一方、そういった判断をたくさん行っていくためには余裕だったり先に書いた様な小さい判断の数を減らしていかないとなと思った。

採用系の面接・面談参加のススメ

採用のフローの中で稀に面接ではなくて、カジュアルに面談をさせていただくことがあり、今日も機会をいただいたので出席した。自分の立場としては会社やサービスを知っていただいて次のキャリアを選択する際の一つの参考情報にしていただけると嬉しいので、ありのままをお伝えするのと少し先に見据えているところもお伝えしたりする。

そうした時にもちろん面談に来られている方に対しての場であるのは当然なのですが、同時に同席してもらった人に対しても改めて聞いてもらえる(同じ場所にいてもらっているので聞かざるをえないというのもあるが)ことも期待してたりする。というのも、意外と外に向かって発してるメッセージを内側に向かって話をする機会は年に数回しかない気もしており、こうした時に聞いてもらえるのも貴重だな。と。

なので、仮に採用面接だったり、面談に同席だったり面接官としてチャレンジする機会があったら是非参加してほしいなと思う。面接官として過去自分が経験してきた逆の立場になって知ることも沢山あるし、先に書いた通り自分の上長だったり一緒に働いてる仲間がどの様に外に向かって自身の環境を説明するかを知れる貴重な機会なので。

 

コミュニケーションとスコープ

この記事はPepabo Managers Advent Calendar 2018 19日目の記事です。

さて、このエントリではコミュニケーションの捉え方について考えてみようと思います。

マネジメントに限らず何らか日常生活をおくる上で「コミュニケーション」が発生するわけですが、物事を進める上で必須なものでありながら、得てして齟齬であったり意図せぬ捉え方を生じさせてしまったりと悩みがつきないものです。

では、そういう悩みを少しでも減らすために発生するコミュニケーションを2軸で分解し、「スコープ」を意識してみようというのがこの話です。

どこまで伝わっているんだろう。この話。

では、どういったときにこれを考えるとよいのかなと思うと、コミュニケーションが発生する以下の様なケースを考えてみるとわかりやすいと思います。

  • 新しいサービスが世の中にリリースされたとき
  • 仕事を一緒に取り組んでいる仲間の中でのコミュニケーションをとるとき
  • 友達や家族の中での会話をするとき
  • 公共の場で会話をするとき

そこで「スコープ」を考えてみます。
スコープというのは「範囲」の意で以下書いていきます。エンジニアの方であれば「この変数のスコープは」といった使い方もするかと思います。

端的に言うと "届く範囲" です。

何か、1つコミュニケーションが発生するとき、何かを伝えようとしているときに4つのとり方が生じ得ると考えます。

コミュニケーションを4象限に分けてみる

  • (1) 自分が明確に把握している, 届く範囲
  • (2) 自分が明確に把握している、届かない範囲
  • (3) 自分が把握していない、届く範囲
  • (4) 自分が把握していない、届かない範囲

この中で、(1),(2) に関しては自身でコントロールできる範囲なので、そこまで意識する必要がない領域です。
特に(2)に関しては、例えば事業であれば「どうやってプロモーションを介せば届けられるか?」という一種の事業課題であるので、その部分について課題解決を図っていけばよいかという明確な課題になったりします。

一方で(3),(4)に関してどうでしょうか。

(4) については、(2)の応用と考えてもよさそうです。(2)と違い難しいところはまだ把握できていないという点になります。
まずは的確な把握を行い、(2)の領域にシフトさせた上で課題として解決する必要があります。

さて、問題は(3)の領域です。
どういうことかというと、把握できていないということは、自らが伝えようと思っていることが予期せぬところに届いていることになります。

もしかするともっと違う伝え方や提案ができたかもしれないけれども、よりよい伝え方に改善ができないという残念な状況になります。
しかも、なかなかそのことに気づくことも難しいということで一番意識しにくい領域といえると思います。

では、どうすればいいんだろう

先程の(3)の領域について、どういった考え方をするとよいかというと、当たり前ではあるのですが「可能な限り俯瞰視すること」。何かを発言しようと思ったり、考えてることを伝えようと思ったときには一時的に全体像を可能な限り把握してみる。

  • いまから伝えようとしたことを自分が把握していない人が聞いたときにどう捉えるか
  • この言葉の使い方をしたときに異なった捉え方をする人がいないか
  • 別の受け取り方をされてしまわないか

全ての人の立場に立って理解をすることは組織が多くなればなるほど難しくはなりますが、可能な限りイマジネーションを膨らませて、ドローンが上空に浮遊していったり、手元に戻ってきたりする様に組織であれば組織に属する人それぞれの顔を浮かべてみるとよいとおもみます。

盲点になりやすいのですが、(3)の領域は得てして近しい(親しい)人が合致しているケースが多い様に思っています。端的にいうと「伝えなくてもわかってくれるだろうと思ったから言わなかった」ケースです。

時々、1 on 1などをするときにお伝えしていることなのですが、「近しい(親しい)人に自分が思っているほど考えていることは届かない*1 」というのが経験則的にももっていて、"普段一緒に生活しているからこのくらいわかるだろう。" とか、 "いままで使ってくれているサービスのユーザ層はこうだからわかってくれるだろう。" とか、"一緒に仕事してるからここはわかってくれるだろう。" などわかってくれるだろうの対象は違えど、どうしても人間は楽な方に舵を切るのでコミュニケーションが雑になって見落としがちになり、そして省略しがちになり。
結果、意図しない形で伝わったり、そもそも伝わらなかったりすることも多いものです。

だからこそ、身近な人こそ感謝を忘れず、丁寧にコミュニケーションをとっていきたいところだと改めて思っています。しばしば忘れる自分への自戒を込めて。

以前、このブログのエントリーに書いた「万物の事象には理由がある」に書いたとおり、日常のコミュニケーションにおいても何かしらの理由があってコミュニケーションが発生し、もし仮にそのコミュニケーションで齟齬が生じたのであればそのコミュニケーションに理由があるはずなので、先に書いた4象限の考え方を取り入れると、よりスムーズなコミュニケーションが取れるのではないかと思っています。

*1:あるいは意図と違う形で伝わってるということも往々にしてある