今日は午前中に通院等を行うために電車で移動。移動中に先日から読んでいた「宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧 (集英社文庫)」読了。
スティーブ・ジョブズが大学中退後、インドを旅して仏教、そして禅に開眼していった。そしてそれがアップル製品にも影響を... といったエピソードは知っていたもので手にとった書籍。ジョブズに禅を通じて影響を与えた乙川弘文に関して、そもそもどういった人物だったのかを日本、アメリカ、ヨーロッパに在住の僧侶やアップルの関係者、家族など30名へのインタビューを通してその人物像を描いたドキュメンタリー的なノンフィクション。
インタビューの様子はインタビューイの口語をそのまままとめた形にされていて映像で浮かぶ様な形で文章が紡がれているのと、人によって激しく異なり、この様な多様な人物像がそのまま、禅僧としてのあり方を現している。自身の考えを体現すべく、その一例にスティーブ・ジョブズとの出会いがあっただっただけで、2度の結婚もアメリカやヨーロッパにおける仏教、禅を広げる活動もすべて、あるがままを受け入れ自身の考えを伝えていったんだと思った。
弘文は無口で、他人のことはめったに話さず、目の前に起きている事象だけを語る人だった。ある時、「世の中でいちばん大事なことは?」と尋ねたら、「この世にいることに敬意を抱くこと」と、答えたことが忘れられない。
柳田由紀子. 宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧 (Japanese Edition) (p.241). Kindle 版.
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