2026年3月に読んだ本を振り返る

2026年3月は9冊。

3月は車窓から見える外の風景が桜が咲き始めてからは綺麗でついついKindleに目がいかずに車窓に目が奪われることが多かった。そしてそのまま居眠りをすることも。そのわりにはペースを保っていろいろ読めた。

今月のおすすめの一冊

2034 未来予測――AI(きみ)のいる明日」を読んで感じたのはAIの進化を「何ができるようになるのか」という機能の話だけで捉えていると、本質を見誤るのではないか、ということだった。文章生成や画像生成といった分かりやすい進歩はたしかに驚異的だが本書が描いているのは、その先にあるもっと深い変化だ。
仕事観や死生観、人との関係性、そして「自分は何によって生きていると感じるのか」といった感覚そのものがゆっくりと書き換えられていく未来である。

読後に残ったのは「AIが何をできるか」ではなく、「AIのいる時代に自分はどう生きたいのか」という問いだった。そしてもう一歩踏み込むと、これからは「AIとどう生きるか」がテーマになるのだろうと思う。これまでは、悩みを相談したり、支えになってくれる存在は基本的に人間だった。
しかし、24時間寄り添い否定せず、文脈を理解しながら言葉を返してくれるAIが現れたことで人間以外の存在を「伴走者」として持つという選択肢が生まれつつある。

もちろん、AIは中立ではなく、つくり手の価値観を反映するし自分にとって心地よい意見ばかりを返してくれる存在を選び続ければ、考え方は簡単に偏っていく。それでもこの本を読んで思ったのはAIを単なる脅威として捉えるのは少し違うのではないか、ということだった。人間以外にパートナーたりうる存在を持てるようになることは生き方の幅そのものを広げる可能性でもある。

人に頼るのが苦手な人や孤独を感じやすい人にとってはもちろん、自分の考えを整理しながら進みたい人にとってもAIは新しい支えになりうる。そう考えるとAIは人間の役割を奪う存在というよりも、これまでになかった形で人生の選択肢を増やす存在とも言える。

だからこそAI時代に問われるのは、「何ができるようになるか」ではなく「何を自分でやり続けたいのか」という問いなのだと思う。

"AIに任せること" or "自分で引き受けること"。

その線引きをどうするかが、そのまま生き方の輪郭になっていく。
本書は未来予測の形を取りながら、最終的には「あなたはどう生きるのか」と静かに問いかけてくる一冊だった。

今月の読書記録

アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話

アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話

著者: ミラー和空 / ジャンル: 本 / 発売日: 2015年7月29日

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登録日: 2026年3月28日 / 読み終わった日:

酒好き医師が教える最高の飲み方 (日経ビジネス人文庫)

酒好き医師が教える最高の飲み方 (日経ビジネス人文庫)

著者: 葉石かおり / ジャンル: 本 / 発売日: 2023年2月3日

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登録日: 2026年3月28日 / 読み終わった日:

栗山英樹がトップ経営者から引き出した逆境を突破するための金言

栗山英樹がトップ経営者から引き出した逆境を突破するための金言

著者: 栗山英樹 / ジャンル: 本 / 発売日: 2026年1月26日

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登録日: 2026年3月25日 / 読み終わった日: 2026年3月25日

感動の創造 新訳 中村天風の言葉

感動の創造 新訳 中村天風の言葉

著者: 平野秀典 / ジャンル: 本 / 発売日: 2018年11月29日

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登録日: 2026年3月11日 / 読み終わった日: 2026年3月25日

聞き出せる人が、うまくいく。 (単行本)

聞き出せる人が、うまくいく。 (単行本)

著者: 荒木俊哉 / ジャンル: 本 / 発売日: 2026年3月3日

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登録日: 2026年3月8日 / 読み終わった日: 2026年3月11日

「迷わない心」のつくり方

「迷わない心」のつくり方

著者: 稲盛ライブラリー / ジャンル: 本 / 発売日: 2024年11月8日

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登録日: 2026年3月8日 / 読み終わった日: 2026年3月8日

おい点P、動くんじゃねえ! ニガテ民のための算数と数学の本

おい点P、動くんじゃねえ! ニガテ民のための算数と数学の本

著者: とけいまわり / ジャンル: 本 / 発売日: 2025年12月12日

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登録日: 2026年3月5日 / 読み終わった日: 2026年3月11日

2034 未来予測――AI(きみ)のいる明日

2034 未来予測――AI(きみ)のいる明日

著者: 中島聡 / ジャンル: 本 / 発売日: 2026年2月27日

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登録日: 2026年3月5日 / 読み終わった日: 2026年3月5日

すごいアイデア 「尖らせて売る」ビジネス発想の公式 (単行本)

すごいアイデア 「尖らせて売る」ビジネス発想の公式 (単行本)

著者: 今井裕平 / ジャンル: 本 / 発売日: 2025年2月4日

Amazon.co.jpで購入

登録日: 2026年3月3日 / 読み終わった日: 2026年3月3日

2026年の読書記録

徒然日記 – 2026年3月30日

朝散歩2.4Km、曇で気温が朝から12度。歩くと少し汗ばんだ。

ミラー和空「アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話」を読み始める。Newspicksでお名前を知って興味を持ち著書を拝読してみようと思い読み始めた。

高松宮記念 – 2026年3月29日

昭和天皇の実弟である「高松宮宣仁親王」に由来するレース。
戦後の再編で競馬の統括団体の整備等々が行われる中で後援者/象徴として関わり、

  • 競馬の“社会的地位”を引き上げ
  • 日本中央競馬会(JRA)の体制整備に関与
  • 馬産(サラブレッド生産)の発展を支援

といった産業基盤を整備されたことを整えられたことを記念しての名称とのことで歴史を感じる。

レース自体は

軸:ジューンブレア
穴:ピューロマジック

で、狙ったのだけれどもジューンブレアは17着。穴のピューロマジックも13着ということで完敗。
自分の買った馬券が先行馬ばかりで今日のレースの構成と全然あってなかった。

徒然日記 – 2026年3月28日

本当に桜が綺麗で散歩をしても見とれてしまって前に進まないのが唯一の難点。

こんなに桜の花、好きだっただろうかと思い返すけど昔はそこまで興味関心もなく、なんとも思ってなかった気がするけれども、こういうのが楽しめるようになったのは東京に上京したからなのか、年齢を重ねたからなのか、はたまた何か感性が変わったのか。

徒然日記 – 2026年3月26日

朝は微妙に雨が降っていて散歩は見送り。春は天気が変わりやすいというけれども。

仕事おわりに出張で東京オフィスに来ているメンバーと懇親会(つまりは飲み会)。
久しぶりにこの人数で居酒屋さんに入ったなという規模感だったのでとてもおもしろかった。みんな楽しそうでそういうのをみていると幸福度が高くなって幸せな気持ちになる。

徒然日記 – 2026年3月25日

朝散歩ちょうど3.0Kmくらい。曇り空で気温9℃。
桜の季節、とても気持ちよくあるけるのだけれども景色が綺麗すぎてなかなか前に進めない。今の時期の嬉しい悩み。

昨日の宿題というか持ち帰った事項を整理したりした。このペースで時間が進むとあっという間に3月が終わる。

経営合宿 – 2026年3月24日

今日は四半期に一度の経営合宿の日。

正確にいうと今回は合宿ではなかったのだけどホテルの会議室に缶詰になって各事業の中長期の議論。準備して考えていたことはアウトプットできたのであとは形にしていく。しつつあるものもあるけれどももっと加速させていく。

「栗山英樹がトップ経営者から引き出した逆境を突破するための金言」読了 – 2026年3月23日

栗山英樹がトップ経営者から引き出した逆境を突破するための金言」読了。

本書は複数のトップ経営者との対談で構成されているが、興味深かったのは、それぞれの業界も立場も異なるにも関わらず、語られている本質が驚くほど共通している点だった。むしろ個別の戦略論よりも、「逆境を突破できる組織やリーダーは何を拠り所にしているのか」という共通構造が浮かび上がってくる内容だった。

まず強く感じたのは、すべての経営者が「覚悟」を起点に意思決定しているということだ。戦略や施策はその後に続くものであり「どこへ向かうのか」「何を実現したいのか」という意思が先にある。この順序が逆転するとどれだけ精緻な戦略でも現場は動かない。言い換えれば逆境においては戦略の巧拙以上に、その戦略をやり切る覚悟の強さが問われているのだと思う。

次に共通していたのは「優しさ」と「厳しさ」を切り離していない点である。人を大切にする、現場を尊重するという姿勢は決して迎合ではない。むしろ本当に組織や個人の成長を願うからこそ必要な場面では厳しい判断や指摘を避けない。この「非情に見える決断を引き受けること」こそが結果的に大きな善につながるという認識が共通していた。

また、情報との向き合い方も特徴的だった。トップであるがゆえに「裸の王様」になり得る前提に立ちバッドニュースをいかに早く正確に掴むかを重視している。立場が上がるほど良い情報しか上がってこなくなる構造を理解し自ら現場に入り、あるいは意図的に不都合な情報を取りに行く。この姿勢が、結果として意思決定の質を担保しているのだと感じた。さらに「準備」というキーワードも繰り返し現れていた。不確実な状況下での決断は常に不安を伴うが、その不安を軽減するのが日々の準備である。考え続けること、書き留めること、自分の言葉で説明できる状態にしておくこと。これらの積み重ねが、いざというときの判断力や胆力を支えている。逆境に強い組織は偶発的に生まれるのではなく、日常の思考と準備の質によって形作られているのだと思う。

もう一つの共通項は「論理と数字」を重視する姿勢だ。
ただしそれは冷徹さの象徴ではなく、むしろ人や組織に対して責任を持つための基盤として扱われている。感情や空気に流されずに意思決定するための拠り所として論理と数字があり、その上で最終的な判断を下している。このバランス感覚が組織の持続的な成長を支えているように見えた。

そして最も根底にあったのは「人は変わる」という前提。どの経営者も人材に対する期待を捨てていない。問い、任せ、失敗させ、そこから学ばせる。このプロセスを通じて人が成長し、その集合として組織が強くなるという考え方が一貫している。制度や仕組みの前に人の可能性を信じる姿勢があることが印象的だった。

これらを総合すると本書に登場するトップたちが実践しているのは、特別な戦略ではなく「原理原則の徹底」だと言える。

  • 覚悟を持って方向を示し
  • 厳しさと優しさを両立し
  • 情報を自ら取りに行き
  • 日々の準備を怠らず
  • 論理と数字で意思決定し
  • 人の成長を信じ続ける

一見すると当たり前のことばかりだが、それを徹底できるかどうかが、逆境を突破できるかどうかの分岐点なのだと感じた。派手な成功事例やテクニックではなく「結局そこに戻るのか」と思わされるような本質の積み重ね。しかしその本質をやり切ることの難しさと重要性を改めて突きつけられる一冊だった。