2026年2月は5冊。
冊数があまりよめなかったのは電車の中でポッドキャストやNewspicksの動画を見てしまっていたところが原因な気がする。ポッドキャスト聞きながらであれば本を読めるだろうという人もいると思うのだけれども、自分はどうしてもそれができない。会話に気が取られてしまって文字を進むスピードが極端に落ちてしまうのだ。
今月のおすすめの一冊
「人が動かないのは能力不足ではなく、動ける環境設計がされていないだけ」という視点から始まり、マネージャーの仕事をかなり実務的に言語化してくれる本。権力やカリスマ性がないのに、なぜか周囲が協力的になり顧客も自然に継続を望む世界が存在し、その中心にあるのがGiver(与える人)というスタンスで、単に精神論ではなく「利他という武器」だと位置づけられていた。損得を超えてまず与える。ただし「与えておしまい」ではなく、相手の内発的な行動を引き出し、相手もまたGiverになっていく連鎖を生むメカニズムが結果としてチームの空気が変えるのだと腹落ちした。
特に著者が「マネージャーの仕事は先回りして道を掃除すること」と表現していた点には共感がとてもあって、誰かを叱咤して走らせる前につまずく石や不機嫌の火種を拾い、メンバーが「ご機嫌に集中できる状態」を用意することと定義していて、これは優しさというよりパフォーマンスの前提条件を整える行動デザインであり、リーダーの責務だと再確認させられた。そしてここからAI前提の世界における話にシフトしていき、本書ではAI時代にこの役割が重くなるとしていた。
定型業務がAIに寄っていくほど、人間に残る価値は「人とうまくやっていく」こと、そして組織の構造変化の中で「経営と現場をつなぐ力」を発揮することが必要となり、マネージャーはミッション・ビジョンを本質的に理解し、現場に翻訳して伝え、現場の声を経営へ返し、その結果をまた現場へ循環させる。そこで必要なのは命令で動かす力ではなく、「この人のもとで働きたい」と思わせて人を惹きつける力だ、という指摘には強く同意。
Giverはまず自分から動き、相手がハッピーになるものを渡す。すると相手も動き出し、幸福度が相互に上がっていく。結局「動く→褒める→次にまた動く」のループを最初に回すのがリーダーの仕事で、その最小単位は挨拶やお礼、情報共有といった小さなGiveにある、というのも現実的です。トラブル時に "Why ではなく "What で問う、誰が悪いではなく何が起きた・何を手伝えるかに集中する、といった具体の作法も、道を掃除する思想の延長線としてつながって見えた。
読後に残ったのは、Giverとは「いい人」の称号ではなく、チームが自走する確率を上げるための設計思想だということ。そしてAIが進むほど管理職の価値は「成果を出す」ももちろんだが、より「人が成果を出せる状態を作り続ける」へ寄っていく、という確信した。
今月の読書記録
片手間PR術 取材が絶えない「商店街の小さなたいやき屋」の広報戦略
著者: 辻井啓作 / ジャンル: 本 / 発売日: 2025年12月9日
登録日: 2026年2月22日 / 読み終わった日: 2026年2月22日