「歩く マジで人生が変わる習慣」読了。
タイトルから入ると、ただひたすら「歩くとよいですよ」ということが書かれている本かと思ったのだけれども、科学的な論証であったり足の骨格から考えるあるべき人間の足の機能とそれが履く靴の話であったりととてもおもしろい本だった。
もちろん歩く健康的なメリットもまとめられていて
- 歩くと、血糖値や血圧が下がる
- 歩くと、長生きする
- 歩くと、がんや心疾患リスクが下がる
- 歩くと、不眠が改善し、ストレスも減る
- 歩くと、脳卒中リスクが下がる
が挙げられていた。
以下、マークアップした部分を中心に読後メモ。
読後メモ
身体性と幸福感の接続
- 人間の幸福は「身体の快調さ」に直結している。身体性を奪う現代社会の構造は、やがて心身の不調や社会の綻びにつながる。
- 歩くことは、身体を通して自己との接続を取り戻す行為でもある。
歩行と思考、創造性の関係
- スティーブ・ジョブズもザッカーバーグも「散歩ミーティング」を通じて重要な意思決定をしていた。
- 歩行中の脳は活性化され、創造性が高まることが科学的にも証明されている(海馬の体積増加、アイデアの発想向上など)。
- 屋内外を問わず「歩きながら考える」ことの有効性が強調される。
脳の健康・認知症予防としての歩行
- 週3回40分のウォーキングが記憶力や脳の若返りに効果的。
- 特に15分以上のウォーキングを習慣化することで、アルツハイマーの発症率を最大40%抑える可能性がある。
座りすぎの害と「ホモ・セデンタリウス」からの脱却
- 長時間座ることは「新しい喫煙」とされ、心疾患・がん・メンタルヘルスに悪影響。
- 定期的に立ち上がる・食後に歩く・日常でNEAT(非運動性熱産生)を増やすことが重要。
「靴」の進化と人間の身体性
- 靴の形が足に合っていないことが、身体の不調の原因になっている。
- ベアフットシューズなど「自然な形の靴」は、歩くことの楽しさと身体機能の回復をもたらす。
- アルトラ社の「ゼロドロップ」「フットシェイプ」の思想が印象的で、靴と身体の関係を再考させられた。
文明と歩行の逆説的関係
- 都市化・テクノロジーの進化が、歩行を奪い、逆に身体の不調や不幸感をもたらしているという仮説。
- 歩くことは「健康のため」以上に、失われた本能や感覚を取り戻す文化的・精神的な営みでもある。
宗教的・歴史的な歩行文化
- 日本の伊勢参りやお遍路など、歩くことが「信仰」や「身体的時間感覚」の基盤となっていた。
- 「八里先」など、地理の単位すら歩行の実感に基づいていたことに驚かされた。
現代の反転と可能性
- 米国では2024年に信号無視横断を合法化するなど、歩行者主体の街づくりが進行中。
- 幸福とは「自ら歩むこと」であり、「歩くこと」自体が持続可能な人生戦略である。
スマホもAIも悪くないけれど、それらに“奪われていた”のは自分の身体だったのかもしれない。歩けば頭も心も整う、という事実は、あまりにシンプルだけれども、最先端の研究も、数百年の歴史も、ただ「歩け」と語っていたことに気づいた。
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