「上司 豊田章男 トヨタらしさを取り戻す闘い 5012日の全記録」読了。
以下、マークアップした部分を中心に読後メモ。
読後メモ
「闘い」の相手は外ではなく“内”
- 「トヨタってこんな会社だったのかな」という違和感に名前を付けたのが「トヨタらしさを取り戻す闘い」。敵は規模拡大の惰性や“年計至上主義”、そして自分たちの思考停止。
軸は数値でなく方向
- 「もっといいクルマをつくろう」という一本の軸。
- あえてトップが具体的数値を掲げないのは“ワンイシュー化”を避け、各自が頭を使って多様な解を生むための設計思想。
現地現物=“行く”ではなく“自分事化”
- 現場で起きている事実を自分の課題として引き受け、カイゼンを積む。机上主義を戒め、「モノに近い人が強い」という価値観が全編を貫く。
「イコール」と「フェア」は違う
- 肩書や媒体ではなく“人”を見る
- 努力や誠実さに応じて向き合い方を変えるのがフェアネスであり、組織の事務処理的均一対応からの脱皮を迫る。
クルマ文化を“自分たちから”取り戻す
- 若者が離れたのではなく、メーカーが離れた。トップ自らハンドルを握る(モリゾウ)実践は、商品理解と文化再興の象徴。味づくり=「先味・中味・後味」で言語化。
危機対応のミニマム原則
- 「人命第一→地域復旧→生産は最後」
- 優先順位だけを示し、責任はトップが負い、判断は現場に委ねる。少ない言葉で動ける組織をつくる。
トップダウン/ボトムアップの再定義
- トップダウン=丸投げではなく「自分でやって見せる」。ボトムアップ=理屈の押し付けではなく「トップの考えに迫り、やり方を自ら変える」。
「時は命」—マネジメントの時間責任
- 上司の不適切な指示は部下の“命の浪費”。会議や根回しの常習を捨て、決めて進めるための時間設計をリーダーの本務とする。
言葉の設計と想像力
- 具体数値より“解釈可能な核フレーズ”を置く
- 広報のKPIを「社長のノートを取らせる報告にする」へ言い換えるなど、言葉で行動を駆動する設計。
- 単純に数値目標を置かないという訳では無い
育成の定義を「プロ化」へ
- 一芸に秀で、背中で伝播させる“人間力”を重視。外でも戦える実力を磨きつつ、それでもトヨタを選びたいと思える場を経営がつくる、という両利きの約束。
民主主義の副作用を飼いならす
- 全会一致・全地域参加が決め切れなさを生む局面では、原理原則(豊田綱領)に立ち返り、決断と遂行でスピードを回復する。
「ありがとう」は経営インフラ
- 未来は“みんなで”つくる産業ゆえ、ステークホルダー間の関係資本を「ありがとう」で積む。脅威は“社内の大丈夫意識”と“ありがとうが消える環境”。
DOの反復と“超二流”
- 前例のない世界ではPDCAの「DO」を回し続ける胆力が価値。ここ一番で踏ん張る“超二流”をチームの資産として尊ぶ視点が現場を強くする。
1+1≠2を前提にする統合観
- 人と人、組織と組織は摩擦から関係資本が生まれて1+1が3にも4にもなる。摩擦を避けず“噛み合わせない勇気”で思考を促す。
インターナルコミュニケーションの人間味
- アイスブレイクや雑談、ミニカーまで。緊張をほぐし、会話のスタートラインを揃える作法は、創業家という先入観を超えるための必修技。
まとめ
- 数値や肩書に頼らず、原理原則と現地現物で組織の思考を起こす“言葉の経営”。
- 危機では最小限の優先順位と最大の責任で現場を動かす。平時はDOを回し続ける設計。
- 「ありがとう」が循環する関係資本こそ最大の競争力で、惰性と“大丈夫意識”が最大の敵。
(Visited 13 times, 1 visits today)
