楠木建「すべては「好き嫌い」から始まる 仕事を自由にする思考法」読了。
以下、Kindleでマークした箇所を軸にしつつ、読書中の気づきをまとめた。
読後メモ
「良し悪し」よりも「好き嫌い」を基点にするという覚悟
- 「良し悪し」は普遍性を志向するが、「好き嫌い」は徹底して個別的である。この非対称性を自覚することが、成熟社会における仕事の出発点になる。
- 戦略やキャリアは最終的に成果(良し悪し)で評価されるが、そこに至る道筋はほぼすべて「好き嫌い」によって形作られる。
- 正しさ(コレクトネス)を外部から借り続ける限り、仕事は他律的になり、自由から遠ざかる。
戦略とは「意志表明」である
- ユニークな戦略は、当事者が「心底好きで、面白い」と思っていることを突き詰めた結果として生まれる。
- 戦略は分析の産物というより、「自分はこれをやる/やらない」という経営者の意志の塊。
- ユニクロ・無印良品・サイゼリヤ1に共通するのは、合理性よりも一貫した好き嫌いの貫徹。
教条主義と教養は紙一重で真逆
- 良し悪し族は教条主義に陥りやすく、杓子定規な判断を量産する。
- 好き嫌いは教養と深く結びついており、教養とは「博識」ではなく、自分の価値観を深く理解している状態。
- 自分の好き嫌いを言語化できるほど、人生も仕事も迷いが減る。
カネは自由をくれない
- カネや情報はオプションを増やすが、判断基準が他律的であれば人は自由ではない。
- 個人を本当に自由にするのは、その人固有の好き嫌いである。
- 「プライスフルなプライスレス」
- 金では買えないものにこそ、結果的に最大の価値が宿る。
「努力」ではなく「凝る」状態をつくる
- 本人が努力だと思っていない状態に持ち込めれば、それは最強である。
- 「努力の娯楽化」こそが、無努力主義の核心。
- 好きだから勝手に続く、呼吸するようにやってしまう──この状態に入ると持続性が極大化する。
勝ち負けより「負け方」を磨く
- 勝率は上がらなくても、負け方は確実にうまくなる。
- 「負け戦をニヤリと受け止められる人」は信用できる。
- 出たとこ勝負を意図的に入れ込める胆力は、プロの条件。
比較から降りたところにプロがいる
- 「出すぎた杭」を自称する人ほど信用ならない。
- 本当のプロは「余人をもって代えがたい」存在であり、比較軸そのものから自由になっている。
- そういう人ほど威張らず、内心では常に「まだまだダメだ」と思っている。
想像より経験を優先する
- 10時間の想像より1分の実体験。
- 未知のことほど「とりあえずやってみる」が正解。
- 経験だけは裏切らない。
キャリアに計画はいらない
- キャリアは川の流れ。計画無用、戦略不要。
- ただし「比較しない」「楽観的悲観主義」という最低限の流れ方の作法は必要。
- プライドは最大の敵。傷つきたくない人ほど動けなくなる。
制度より運用、正しさより明快さ
- 真の改革者は構造改革を待たず、運用から始める。
- 制度は成果が出たあとに、遅れて制度化すればいい。
- 判断においては、多少の間違いを含んでも「過剰にシンプル」であることが強さになる。
「どう働くか」ではなく、「何を好きでいるか」を問う一冊。正しさを集めるほど不自由になり、好き嫌いを掘るほど仕事は自由になる。
(Visited 3 times, 1 visits today)
- UMSと本文中では略されていた[↩]
