台風の影響もあって引き続き東京は天候が悪く、雨は降ってはいないけどいつ降ってきてもという空だったので朝から電車で少しだけ移動してミスタードーナッツで読書した。
元ラグビー日本代表監督、三井住友銀行取締役だった宿澤広朗さんの著書、初版が1991年の本で32年前の本。文庫化されたのも2007年。代表監督と銀行員を兼務だけでも全く想像できないのだけれども代表監督としてはワールドカップで初勝利、銀行員としては為替ディーリングで銀行全体の4割の収益を立てたという実績を残されている。
代表監督としてワールドカップ初勝利までどの様な思考を重ねてチームを編成されたり対戦相手を見てきたのかという話がつぶさに書かれていて組織論やマネジメント論として読んでも学びがあった。
本書より抜粋。
チームワークは、レベルを決めて、リーダーとか、目的意識とかといったものをチームに与えて、発生させるもので、作ろうとしてできるものではない。
弱い組織ほどチームワークを大事にしたがる。みせかけのチームワークは、最もチームワークが必要とされる時にチームワークが崩れる。強い素材からしか優れたチームワークは生まれてこないものだ。宿澤広朗, TEST MATCH , p.82
チームは作れるがチームワークは作るのではなく「生まれる」。
チームの中でそれぞれが自分の役割を果たしても最高のチームワークにはならない。スポーツやビジネスには相手があり、自分たちが想定していないイレギュラーなことが起きた時に、単に自らの役割を果たすだけでは対応しきれない。生じたイレギュラーな事象に対して所属する全員が最速で最高の判断を下し、それぞれが持つスキルで対応するのがチームワーク。