発酵文化とオープンソース – 発酵文化人類学を読んだ

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小倉ヒラクさんが書かれた発酵文化人類学を読み終えた。

個人的に「発酵」にはすごく興味を持っていて、漫画の「もやしもん」だったり小泉武夫先生の文章だったりを読むのが好きで更に最近一層興味が増していたところで出版された本だったので即購入した。

特に響いたのがPART.2の章にある「プロセスの楽しみを取り戻そう」という項だった。
著者は「究極のオープンソース」と表現していて、以下の様に書かれている

無名のお母さんや醸造家たちが何百年も積み上げてきたものが受け継がれ、
各家庭でそれぞれのやり方で自由に楽しまれている。その多様性とハードルの低さが分厚い
「文化の層」をかたちづくっている。
(中略)
みんなで情報交換して、新しいやり方を発明したらコミュニティのみんなで共有する。

(p.91-)

なるほど。漬物だったり自家製味噌だったりは受け継がれていて、代が変わるごとに微妙な修正が加えられていく。その様子はgithubに公開されたプログラムのソースコードに対してpull requestが届けられレビューされてマージされていく様子に確かに似ているかもしれない。

各家庭で親から子へ受け継がれるものもあるだろうし、メーカーとしての立場の醤油蔵・味噌蔵や酒造メーカーも同じことが規模は違えどずっと起きている。

こういった著者が言っている「プロセスを味わう楽しみ」から「オープンにしていく」ことが発酵文化とインターネット時代の考え方が重なり合うところがとても面白いと思った。

これ以外にも発酵文化そのものだったり、ビジネスとしての面だったり、人類学と併せての考え方だったりと幅広く発酵という1つのキーワードを元に繰り広げられる本の内容はとてもおもしろくそして興味深いのと同時に、アイディアのヒントをたくさんもらうことができて読んでよかった。

そうだ。この本の中ででてくる五味醤油さん。よむよむカラメルでも取材させていただいているので是非こちらも併せて。手前みそながら。

pickup.calamel.jp

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