月毎で書籍を買う金額を予め決める話

傍から本を定期的に読んでいると思われるところもあって、社会人になっても継続的に読書をする習慣を身につけるために心がけていることがありますか?と質問を受けることがあったので、さて何か自分の中で決めていることがあったかなと思い返してみると、唯一あったのがタイトルに書いた「月毎で書籍を買う金額を予め決めている」ということくらいかなと思った。

自分が大学を卒業して社会人になったときに決めたのが当時の給与の手取り金額から考えると少し背伸びした「毎月必ず本の購入に1万円使う」で当時はエンジニアであったので技術のキャッチアップのためだったり直近のプロジェクトで利用する技術であったりを会得するための技術書であったり雑誌やムックの類を購入していた。もちろん、プライベートの事情であったり時節によってはその決めた額を超えたり、逆に他のところに回すこともあったが、基本的な自分のルールとしては給与が入ったら自動引き落としされていく家賃といった固定費と同じ様に書籍を求めるお金として決まった額を分けた。

今となって振り返ってみてよかったなと思うのは「必ず使う」というところで、もしその月に買うものがなければ例えばたまには小説を買ってみようだったりノンフィクションやエッセイを読んでみようと思ったり、ビジネス書を手にとってみようと思ったり定められた金額、一種の予算の中で自己投資する方向を考えることもできて個人的には続けてよかったと思う習慣になった。この習慣の当時時点での唯一の欠点は当時はKindleという選択肢が無くて実際の書籍が増えていく中で場所を取ってしまうというものだったけれども、今であればKindleで場所も取らずに求めることができるのでよい時代だ。

ルールとして本を定期的に買っても読まないと意味がないのでは?と反問する人がいるかもしれないけれども、そもそも手元に本が無いと読む習慣すら発生しないので、積ん読になるとしても自分自身で考えて本を求める(結果としては情報を求める)という行為だけでも継続したほうがよい。いま自分が知識として身につけたい方向を自分自身で時間を取って考えることができるし、買った本はいつでも読めるし、読むことを習慣化できたら隙間の時間であっても読み進められる。

ということで、毎月決まった額を定めて必ず書籍を買う習慣。おすすめです。

2022年5月に読んだ本を振り返る

5月は11冊。
引き続き移動中であったりだとか、決めた時間に少しずつでも読書する時間が取れていてよいペース。最近気づいたのはKindleを普段使っているかばんの外のポケットに入れておくとサッと取り出して読めるので手に取りやすいところにKindleを配置しておくのは大事な気がしてきた。(スマホでも読めるのだけれども通知が来たりだとかバックライトで目が疲れるのでKindle愛用派)

「佐久間宣行のずるい仕事術」、令和版の入社一年目の教科書ではないだろうかと思えるくらい内容がよかった。新社会人であったり、社会人経験数年踏んだ段階で読むと心当たりあるトピックが2,3は必ずあるのではないだろうかという様な内容になっていて、それぞれのトピックに対して著者自身の経験とその対処について理由を添えて読みやすい文体で書かれているのでお勧め。

仕事のモヤモヤは沼のようなもの。沼にハマったら濁った水に浸かりながら息をする方法を見つけるか、なんとか足がかりを探して陸に上がるしかない。それぞれのスタンスに優劣があるわけではないけれど、まずは「沼から脱出する」。そこを信じることからはじめよう。

佐久間 宣行. 佐久間宣行のずるい仕事術僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた (Japanese Edition) (p.183). Kindle 版.

飲むぞ今夜も、旅の空 (小学館文庫 お 3-9)、この5月に発売された太田和彦さんの新著。再編集の形で過去のエッセイをまとめられたものだけれども安定のリラックスできる文体。先日ちょっとした旅行をする際に電車の中でビールを呑みながら読むと最高だった。

2022年5月に読んだ本

2022年の読書記録

“ゼロからトースターを作ってみた結果” という本を読んだ – 2022年5月21日

本日は散歩2.4Km、だんだん気温が高くなってくるなと思いつつ少し涼しい日には歩こうと思って外に出て歩いていると突然スコールの様な雨が降ってきた。東京地方、各所で今日はこんな天気だったらしい。こんな天気なので散歩の出先から戻るときには公共交通機関を使って戻る羽目になった。

家に戻って少し積まれ気味にあっていた本を一気に読んだ。
いくつかパラレルで読んでいたのだけれども「ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)」という本を書店の書棚で見つけてしまい思わず手に取って読んだ。

  • お店で売っているようなトースターを目指すこと
  • 原材料から制作すること
  • 産業革命以前の手法を用いること

という3つのルールで例えば鉄板が必要であれば鉄鉱石を求めるところから進めるというルールでチャレンジした過程が書かれている。最初、リバースエンジニアリングで非常に安価なトースターを分解し部品に分けるところから始まっていて、そこから最低限必要な部品を定めてプロジェクトが進行していくのだけれども、単純に原材料と学術的な生成プロセスがわかっていてもなかなか実現が難しいことにも直面しつつトースターを仕上げていく過程がとても面白かった。

個人で取り組むと「トースターをつくる」という行為も尋常じゃなく難しいということがこの本を読むと(そりゃそうだよなと思いつつ) わかるのだけれども、世の中の工業製品がなぜこの価格で提供できるのか?という新たな素朴な疑問も浮かんでくる。そこは個人が取り組む規模感ではない企業活動として取り組むことでスケールメリットを得て解決しているのだとは思うのだけれども、どことなく不思議な感覚になるのだった。

2022年4月に読んだ本を振り返る

4月は14冊。
電車の中だったりの移動時間や、日常のちょっとした空き時間であったりで本を読むことができた。このサイクルを継続していきたい。

無印良品計画会長 松井忠三さんの著書、「覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる」。タイトルだけみると精神論が説かれている様に見えてしまうのだけれども中身はすごくロジカルでマネジメントに関して具体的な経験や経験から導かれた原則に基づいて章立てられていて参考になるところが多かった。これからマネジメントにチャレンジする人にお勧めする本にしてみようかなと思っている。

また、同じ様な方向で「プロフェッショナルマネジャーの仕事はたった1つ」も読了。著者がビジネススクールで講義されている内容を質疑応答も含めてまとめられた本でこちらもマネージャーが果たすべき目標達成のために組織を動かすにあたって必要な著者が定義する「配るマネジメント」をキーにまとめられていて良書でこちらもお勧めしたくなったのと、耳が痛い内容がいくつかあった。

どうしても直近の業務に寄った本を読むことが増えてきたのだけど、たまには技術書も少し読みたいと思う。


2022年4月に読んだ本

2022年の読書記録

透明な螺旋読了 – 2022年4月2日

春眠の季節なのに今ひとつ眠りが浅くて1時過ぎに寝て5時過ぎに目が覚めてしまった。2度寝しようと思ったのだけれども寝付けないので諦めて起きた。

午前中は外に出る予定があったので外出。寒の戻りが何回目だろうかと思うくらいに冷えた中を歩いた。もうコートだったりをクリーニングに出したのに。と思っている人が必ずいそうだな。(普段使っているお店で3月中に出すと割引があったりしたので、自分たちも大分暖かくなったからという理由で一部出していたのであった。)

外に出た帰りに本屋に寄った。普段はKindleでダウンロードして書籍を読むことが多くなったのだけれども、前書いたとおり本屋の書棚を眺めたり、ピックアップして陳列されている本の島を見て回ると普段気づかない本に出会えたりするので意図的に時々立ち寄ったりする様にしている。以前から購入しようとしていて購入し忘れていた東野圭吾の「透明な螺旋」と他数冊買い求めて帰宅。
作業をしながら読み進めていったら止まらなくなってしまって一気に読んでしまい読了。
容疑者Xの献身と同じ様な読後感があるのだけれども、この結末で誰か救われたのだろうかという筋書きだったのとタイトルの意味が読み終えたときにわかる作品だった。ただ哀しさだけが残る。物理学と絡めたトリックがあったりしたこれまでのガリレオシリーズとは大きく違うので賛否両論ありそうだけれども個人的にはシリーズの1作として成立したのではないかと思った。

著者 : 東野圭吾
文藝春秋
発売日 : 2021-09-03

2022年3月に読んだ本を振り返る

2022年3月は9冊(雑誌含む)。

今月の一冊として選ぶのは「数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法」、社内で紹介して20冊くらい買ってもらったのではない位、読んで欲しいと伝えて回った。
冒頭にあるこの一文、

数字は、「不足を見るためのもの」です。不足を埋め、次の行動を考えるための材料です。

安藤 広大. 数値化の鬼「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法 (Japanese Edition) (p.16). Kindle 版.

基準を設けないと比較はできず不足や充足は判断ができないので設けようというシンプルな話であるし、期日であったりの時間的な軸においても数字は存在すると当たり前ではあるのだけれども改めて認識した。

2022年3月に読んだ本

2022年の読書記録

数値化の鬼 – 2022年3月10日

朝の散歩2.4Km、気のせいかもしれないけれども散歩中にすれ違う人の数が普段より少なかった気がする。段々歩くと少し汗ばむ気候になってきた気がする一方、相変わらず末端冷え性が解決しないのは何でだろうか。

先週末に読んだ数値化の鬼 ーー 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法がとても自分にとっては刺さるところの多い良本だったので各所で勧めている。少しタイトルが強烈なので読むのにハードルを感じる方がいるかも知れないけれども、中身はとてもわかりやすい例えとシンプルなロジックで書かれているので、特に事業に従事し何らかの数値を常に見ている人にはぜひ読んでもらいたい一冊だと思う。いまから社会人になる方であったり、既に社会人数年目の人にもよいと思うし、マネジメントしている立場の人にもコミュニケーションで上手に数値をどう使うか。といったところがわかるのでお勧め。

2022年2月に読んだ本を振り返る

2022年2月は8冊。

直接的に業界が被らなくても各業界で「事業」を営んでいるそれぞれの会社がどうやって目標に対して組織運営しているのか、製品開発しているのか。といったところが最近興味を持ったところもあって、そういった類の本を読む機会が増えた。

日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方」から抜粋。

「物事が実現するか否かは、まずそれをやろうとする人が、できると信じることから始まる。自らできると信じたときにその仕事の半分は終了している」

田村 賢司. 日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方 (Japanese Edition) (p.15). Kindle 版.

2022年2月に読んだ本

著者 : 宇田川悟
河出書房新社
発売日 : 2012-05-17
著者 : 川村隆
東洋経済新報社
発売日 : 2021-06-18
著者 : 大下英治
エムディエヌコーポレーション
発売日 : 2022-02-01
著者 : 大下英治
エムディエヌコーポレーション
発売日 : 2022-02-01

2022年の読書記録

2022年1月に読んだ本を振り返る

2022年最初の月は9冊。

コマースの興亡史 商業倫理・流通革命・デジタル破壊」総合量販店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアからファーストリテイリングに代表されるアパレル製造小売まで、それぞれがどの様な背景をもとに成立し、業務システムを確立していったかが8章までにまとめられ、9章以降でデジタルプラットフォームを活用したプラットフォーム(EC)に関してまとめられていて小売形態の移り変わりが一冊で読めるので歴史的な流れを知るためにもよい読み物だと思った。

江戸商人は300有余年前、顧客の立場にたって「正しい商い」を実践し、昭和の繁盛店はそれを受け継いで、流通革命の担い手になった。そして、いまプラットフォーマーは「世界で最も顧客中心の会社になる」(アマゾン)と宣言し、デジタル化による創造的破壊を引き起こしている。
矢作 敏行(2021). コマースの興亡史 商業倫理・流通革命・デジタル破壊, p.343

基本はいつも変わらない。

2022年1月に読んだ本

孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日読了, 日記チャレンジ開始 – 2022年1月26日

朝、30分散歩する。この散歩と会社に出たりするのを組み合わせて最近一日一万歩以上、コンスタントに歩けているのだけれども、その割には肩こりだったりなんとも言えない腰痛があまり解消しないのが解せない。

電車で『孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日』 を読了。Vodafoneの買収から東日本大震災を挟んでアメリカの携帯電話会社スプリントの買収までの期間、社長室長だった著書による舞台裏感が満載の正史で面白かったのと、静と動のバランスが成立するとここまでたくさんの成果が生まれるのだなと改めて思った。

同僚の@kenchanが今日から1ヶ月日記を書くチャレンジをはじめていたので自分も乗ってみることにする。1ヶ月完全に日記を毎日書けたのは2020年2月だけなので、さてそれ以来のチャレンジは成功するのか乞うご期待。